国家試験対策

第182回

①50歳の男性。事務職。飲酒は缶ビールを350㎖/日。特定健康診査でLDLコレステロール156mg/㎗、HDLコレステロール35mg/㎗、中性脂肪200mg/㎗。他の検査項目に異常はない。食事指導で適切なのはどれか。(第99回)
  1. 飲酒の禁止
  2. 食物繊維摂取の推奨
  3. 動物性脂肪摂取の推奨
  4. 植物性蛋白質摂取の制限
正解:2
  1. 缶ビール350㎖は適正飲酒である。一般に適正飲酒は純アルコール量にして20g程度とされ、HDLを増やす働きがある。(適正飲酒…ビール中びん1本500㎖、日本酒1合180㎖、焼酎0.6合110㎖、ワイン1/4本180㎖)
  2. 食物繊維には整腸効果や血清コレステロールの低下、血糖値上昇の抑制などのはたらきがあり、1日20g以上摂取することが望ましいとされる。
  3. 動物性脂肪摂取の過剰摂取は動脈硬化を起こしやすくなるため推奨されない。脂質はエネルギー源や血液、細胞膜の材料になるなど生体にとって欠かせない重要な栄養素である。脂質はその構成成分に脂肪酸を含むものの総称で、脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別される。不飽和脂肪酸は魚類や植物性の油脂に多く含まれ、飽和脂肪酸は哺乳類や鳥類の脂に多く含まれる。飽和脂肪酸は摂取しすぎると動脈硬化を起こしやすくなり、不飽和脂肪酸は動脈硬化を起こしにくい傾向があることがわかっている。
  4. 中性脂肪やLDLが高いため動物性脂肪の摂取を控える。タンパク質はアミノ酸が合成してできており、臓器やホルモン、酵素の材料になるなど生体にとって欠かせない重要な栄養素である。肉などの動物性食品は良質なタンパク質を含むが過剰に摂取すると脂質異常症などの生活習慣病の原因となる。植物性タンパク質は動物性のものと比べて余分なカロリーや脂質を抑えながらタンパク質を摂取できる。
②1型糖尿病と診断された人への説明で適切なのはどれか。 (第106回)
  1. 自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。
  2. 食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。
  3. 低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。
  4. 運動は朝食前が効果的である。
正解:3

1型糖尿病は、主に自己免疫の関与によって膵臓の膵島のB細胞が破壊されインスリンが産生されなくなる疾患である。

  1. 自己血糖測定は医療保険の対象である。
  2. 食事が摂取できないからといって、インスリン注射を中止すると高血糖になる危険がある。
  3. 低血糖値が低くなりすぎると、発汗や手の震え、動悸などの自律神経症状が出現する。
  4. 運動によるエネルギー消費により血糖値が低下するので、食前の運動は低血糖の危険性が高い。したがって、運動は食後に行う。
③糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。(第108回)
  1. 脂質
  2. 塩分
  3. 蛋白質
  4. 炭水化物
  5. ビタミン
正解:2・3

慢性的な高血糖により、腎臓の微小血管が障害されて起こる合併症が糖尿病性腎症である。進行すると慢性腎不全となり、透析療法が必要となるので早期発見と治療が重要である。

  1. 蛋白質を制限することでエネルギーが不足するため、総エネルギー量を脂質や糖質で確保する必要がある。
  2. 腎症が進行すると塩分(ナトリウム)やカリウムの排泄ができなくなるため、塩分・カリウムの制限が必要である。
  3. 蛋白質が代謝されて生じる尿素窒素などの老廃物は腎臓に負担をかけるため、腎症の進行に伴い制限する必要がある。
  4. 炭水化物の制限はせず、適切な量を摂取する。
  5. ビタミンの制限は必要ない

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