国家試験対策

第238回

①急性期患者の生体反応で正しいのはどれか。(第109回)
  1. 異化が亢進する。
  2. 症状の変化は緩やかである。
  3. サイトカイン分泌が低下する。
  4. 副腎皮質ホルモンの分泌が低下する。
正解:1
  1. 異化が亢進する。
    生体に侵襲が加わるとエネルギー代謝が亢進する。損傷された組織を修復しようと骨格筋の蛋白質を使う。大手術、重症の外傷、熱傷などの高度な侵襲の場合には蛋白質の異化も同化も亢進するが、異化(分解)のほうが同化(合成)よりも亢進する。
  2. 症状の変化は緩やかである。
    急性期には疾患を発症してすぐの時期なので、炎症反応や出血、発熱などの症状が現れ、症状の変化が急激である。
  3. サイトカイン分泌が低下する。
    サイトカインは細胞から放出される物質である。代表的なのはインターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)がある。炎症反応に重要な役割をしており、急性期には分泌(放出)が亢進する。
  4. 副腎皮質ホルモンの分泌が低下する。
    急性期には副腎が刺激され、副腎髄質と副腎皮質からのホルモンの分泌が亢進する。

術後の回復過程を学ぶうえで重要な、ムーアによる術後経過と生体反応の基本的なことを押さえておくと解ける。

②Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。バイタルサインは安定しているが、スタンフォード分類B型の急性大動脈解離と診断され、医師から手術を勧められた。治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。(第108回)
  1. 「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」
  2. 「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」
  3. 「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」
  4. 「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」
正解:1
  1. 「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」
    インフォームドコンセントでは、患者が十分な説明を受けて自分が受ける医療を自己決定できることが重要である。医師の病状説明に立ち会う看護師は、患者が十分に説明を理解できるように、不明な点がないかを聞くなどの援助が求められる。
  2. 「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」
    スタンフォードA型は原則手術の適応で手術までの時間が生存率に大きく影響するが、B型は血圧コントロールなどで治療できる場合もある。AさんはB型で時間的な余裕があるため決断をすぐに求める必要はない。
  3. 「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」
    インフォームドコンセントでは、患者が医師の判断を聞く場合も考えられるが、医師の判断に任せるのがよいかどうかを判断するのは看護師ではなく患者自身である。
  4. 「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」
    患者に意思決定の時間ないほど生命が脅かされる状況でない限り、インフォームドコンセントが必要である。AさんはスタンフォードB型で時間的猶予があるので、話をあとにする必要はない。

大動脈解離は、上行大動脈に解離があるものをスタンフォード(Stanford)A型、上行大動脈に解離がないものをB型といい、A型はきわめて予後が不良なのが特徴である。

③意識障害はどれか。2つ選べ。(第102回)
  1. 昏睡
  2. 制止
  3. せん妄
  4. 途絶
  5. フラッシュバック
正解:1・3
  1. 昏睡
    昏睡とは外部から痛み刺激など、どのような刺激を与えても反応を示さない状態を呼ぶ。昏睡は意識障害の中でも重度の状態であるといえる。
  2. 制止
    制止とはうつ病の症状の1つで、やる気が出ず、何事にも億劫となり、活動性が落ちた状態となる精神運動制止と、考えがまとまらなくなり、決断力がなくなる思考抑制がある。
  3. せん妄
    せん妄とは、意識障害が起こり混乱した状態をいう。見当識障害、注意力・思考力の低下、錯覚や幻覚などがみられる。
  4. 途絶
    途絶とは、統合失調症などでみられ、会話の途中で急に思考の進行が停止したり、黙り込んでしまうことをいう。
  5. フラッシュバック
    フラッシュバックとは、強い心的外傷を受けた人が、ある日突然その記憶を非常に鮮明に思い出したり、夢の中で再体験する現象であり、意識障害ではない。

意識障害とは、周囲の状況に対する正しい認識や、周囲の刺激に対する適切な反応が損なわれている状態をいう。意識障害のレベルには、昏睡、半昏睡、昏迷、失神、せん妄などがある。

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